【ヨーロッパ現地レポート】第3回:インターソーラー・ヨーロッパ 2017 in ドイツ・ミュンヘン


本連載では、2017年5月31日~6月2日にドイツ・ミュンヘンで開催された『インターソーラー・ヨーロッパ 2017』にて、当社スタッフが現地で見て感じたことをレポート形式でご紹介いたします!

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現地レポート第3回は、インターソーラー・ヨーロッパ2017の様子をお届けいたします。

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インターソーラー・ヨーロッパの会場はドイツの首都ミュンヘンで行われました。ドイツは1990年に世界に先駆けて国家単位でFIT制度を導入した、現在の再エネ普及の発信地です。

【補足】FIT(Feed in Tariff):固定価格買取制度とは

再生可能エネルギーの買取価格(タリフ)を法律で定めたものであり、『合理化カルテル』と呼ばれる政治手法。国家戦略として『環境保護目的』や『エネルギー自給率』および『国際競争力』を高めるために用いられます。

 

ドイツではFIT法により、導入コストが大幅に低減し、再エネが占める電力供給比率は30%を超え、日本と同様に買取価格が通常の電力小売り料金よりも安くなり、また賦課金などの増大により、2017年以降からは市場取引価格へ近づけるため『入札方式』へ移行されました。

しかし、国民の大半が再エネへの転換に賛同しており、導入コストの低減により自家消費型が進んでいます。今回はFIT制度を卒業した、再エネ先進国のトレンドをご紹介いたします。

インターソーラー・ヨーロッパでの展示コンセプトの基本は太陽光発電+『電動車両(EV&EB)用充電器』+『リチウムイオン蓄電池』でした。※EV:電気自動車、EB:電動バイク

 

太陽光パネルのトレンド

1.高強度・耐久性&経年劣化に優れた『両面ガラスパネル』

当社の太陽光発電付きカーポートスマイルポート(Smileport)にも採用されているドイツのルクサソーラー社製の両面ガラスタイプの太陽光パネルです。

【補足】両面ガラスタイプ・太陽光パネルとは

ジャンクションボックスが付いている面(裏面)も強化ガラスで覆われている太陽光パネルのことです。

 

通常のバックシートタイプとの違いは

★2m以上の積雪でも割れない強度・耐久性を持つ
★両面が強化ガラスなので万が一の火災発生時も燃え広がりにくい
★経年劣化の原因でもある、湿気やマイクロクラックが入りにくく、出力が落ちにくい

このように、多少の荷重がかかっても割れません。

 

2.出力の異なるパネルにストリング全体が影響を受けない『スマートモジュール』

 

こちらもルクサソーラー社製の太陽光パネルに、当ブログでもご紹介しました『ソーラーエッジ社製・パワーオプティマイザ』が組み合わされたものです。

 

<意匠性に特化したもの>

こちらはBISOL社製のSpectrum Series(スペクトラム シリーズ)です。パネルサイズは、1,649×991mm・1,692×1,016mmで、定格出力は245Wと250Wの2種類でモジュール変換効率は15%程度と一般的な産業用モジュールと遜色ない性能です。

「太陽光パネル」と「フレーム&クランプ」のカラーバリエーションは以下の通りです。

意匠性を重視している、お客様には最適な太陽光パネルだと思います。

 

<太陽光発電付カーポート(ソーラーポート)>

展示会で良く見かける、太陽光パネルの利用方法としては、カーポートタイプを多く見かけました。当社のスマイルポート(Smileport)同様の両面ガラスの太陽光パネルが屋根になっているものが多いです。

(1)基礎数が2ヶ所のものです。柱部が大きいのですが、曲げたり、穴を開けたりと工夫をしています。

(2)ベース部分が木で、非常に見た目が美しく、日本建築にもとても合いそうです。

(3)中央にEV用の充電スタンドが設置されていますが、大きな柱を感じさせない設計になっています。

(4)Solar Bus Stop(太陽光発電付バス停)です。バス停だけでなく、休憩所などにも良さそうです。

 

EV&EB用充電スタンドのトレンド

(1)充電器本体はもちろんのこと、充電ケーブルの色使いもこだわっています。

(2)外灯と充電器が組み合わされています。光を上に向けて柔らかい光を演出する傾向があるようです。

(3)急速充電器単体ですが、ブルーのライン照明やカットの仕方が面白いです。

(4)カーポートに急速充電器とEB(電動バイク)が展示されています。

 

当社の『スマイルポート(Smileport)』も普通充電器が簡単に取り付けられます。
取付可能充電器:モリテックスチール社製(ケーブル巻き取り式)・Panasonic社製・矢崎エナジー社製

<2017年3月1日~3日に開催された「PV EXPO 2017 ~第10回 [国際] 太陽電池展~」に出展した時の様子です>
京都大学発のベンチャー企業・GLM社製EVの『Tommykaira ZZ』をコンセプトモデルとしてお借りしました。

 

リチウムイオン蓄電池のトレンド

蓄電池容量が大きいのはもちろん、見た目にも配慮したものが多い印象です。まるで携帯電話のような滑らかな曲線を描くものから、カラフルでどんな壁にも合いそうなものまでいろいろあります。

 

こちらは、イタリアのEnel(エネル)社のV2Gです。

【補足】V2G(Vehicle to Grid)とは

EVの蓄電池からGrid(グリッド:電力網)に対して充放電を行い、所有者は放電した電力で利益が生まれます。

エネル社は2016年5月10日に英国で、日産自動車のEVを使用し『V2G』スキームを構築しました。

再生可能エネルギーの余剰電力分を吸収(充電)すれば電力不足時のバックアップとなり、また、翌日の電力不足が予測されたら、前日に充電し補うことで系統電力が安定します。

今後、電力卸市場へ移行され、余剰分電力は安く、不足時の電力が高くなるならば、出力制御になるはずの電力で安く充電し、不足時に放電をすれば利益が得られることでしょう。

『V2G』と『EV』があれば、街中に小型の揚水発電所ができるのと同様の効果が得られます。

安価な中古EVの流通により、再エネの普及拡大と安定電源の確保に貢献する未来が訪れようとしています。

 

 

 

 

まとめ

今回はインターソーラー・ヨーロッパ2017の様子をお届けしました。

ドイツやスペインでは、日本と同様にFIT制度開始から徐々に設備導入費のコストダウンにより再エネ普及が進み、電力構成比率における再エネの比率が一定水準まで引き上げられましたが、一方で賦課金の増大により、固定価格買取が終わりを迎えても化石燃料や原発からの脱却のため、さまざまな形で再エネ比率を高めようとしています。

再エネ比率のさらなる引き上げには、屋根上以外への普及と電源の安定性が求められます。屋根上以外の代表例としては、太陽光発電付きカーポート(ソーラーポート)やバス停(ソーラーバスストップ)など屋外へ設置される、さまざまな構造物と組み合わされ、両面ガラスの太陽光パネルが主流になってきてます。また、電源の安定性には、EVに代表されるような大型の蓄電池による余剰電力の吸収(充電)が必要です。

太陽光パネルも耐久性に優れ、安全かつ効率的で、意匠性の高い物が主流でEV・EB用充電器もソーラーポートや電気が必ず通る外灯などの設備と組み合わせるなど、より利用者に身近なところへ設置されるために、デザイン(設計)されている様に感じました。

 

次回:7月24日(月)は、ドイツの充電インフラについてお伝えします。

 



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