誰かに頼ることのリスク(日本のエネルギー供給体制問題)


2019年6月13日、ホルムズ海峡(※1)付近で発生した、日本の海運会社が運航するタンカーへの攻撃事件。この事件自体を伝えることはあっても、なかなか、エネルギー供給体制に関する問題提起が少ないのはナゼなのだろう・・・

※1:イランとオマーンに挟まれた海峡で、ペルシャ湾沿岸諸国との石油輸入出航路、通称『シーレーン』上にありエネルギー安全保障において防衛上の重要地点『チョークポイント』とされている。

日本の原油輸入割合(2016年ベース)は、「ロシア:約6%」「メキシコ:約3%」「インドネシア:約2%」「その他:約3%」を足した約14%を除く“約86%”は『ペルシャ湾沿岸諸国』から輸入している。

筆者がこのニュースを目にした瞬間、自然に脳内を駆け巡ったのは『その船を漕いでゆけ、おまえの手で漕いでゆけ、おまえが消えて喜ぶ者に、おまえのオールをまかせるな』作詞・作曲は中島みゆき『宙船(そらふね)』であった。

何が言いたいのかというと、そう「エネルギー、特に原油を外からの輸入に依存していると、他国からの攻撃により『オイルショック』が生まれる、さらに近年のガソリンスタンドの減少により、供給は追いつかず、燃料代はハネ上がり、輸送も経済も循環せず、大打撃を受けるのは明白である」ということ。いつ、外交カードとして切られてもおかしくはない。やはり、アメリカ無しでは日本は難しいと思える。

給油所への輸送方法は車である。非常事態に直面した時には、供給が安定するまで当然ながら給油順は、政府や消防、医療、自衛隊(災害救助等)に優先権が与えられるのは、ちょっと考えれば分かる。では、市民生活は?

▲出展:経済産業省 資源エネルギー庁「2018-日本が抱えているエネルギー問題」より

現在、多くの自動車を動かしているガソリン(レギュラー/ハイオク)や軽油は、原油を加熱・蒸留させ精製している。一方で電気自動車(EV)の動力源となる電力は「天然ガス」や「石炭」といった化石燃料に加え、「原子力」や「再生可能エネルギー(再エネ)」といった、複数のエネルギー源から構成され『石油などは僅か10%程度』でしかなく、緊急事態が発生しても電気自動車は通常通りに運転可能。また、九州をはじめとする西日本では「太陽光発電」の“出力制御”が大きな社会問題となりつつある、利用可能な電力を切り捨て、発電事業者の収益性を押し下げる、「百害あって一利なし」とは、まさにこのことで『電力の廃棄ロス』と揶揄されている。

本ブログのコラムでも再三に渡りこの問題を述べてきたが、EV普及に関するネットニュースのコメント欄には、もはや意地に近い「ガソリン車を乗り続ける」と言うものも含め、数千件を優(ゆう)に超える、現実の問題に直面しないと分からないのだろう、地震への備えも確か、起こってから誰か何とかしてよ!総理!だった・・・

我々は電気自動車(EV)に乗りたい、約2割(※2)の人々の生活と「政府目標のプラグインハイブリッド車と電気自動車の普及率3~5割」を実現できるお手伝いをしているまでである。政府も100%がすぐに電気自動車などになるとは思っていない、2030年度目標でも従来のガソリン車「コンベ車(※3)」は3~5割は残るという試算である。

※2:自動車情報サイト「MOTA」の特別企画「電気自動車はまだ早い!?8割弱が“EVまだ買わない”【みんなの声】」のアンケート結果「買いたい:17%」「既に乗っている:5%」より
※3:コンベとは「Conventional(コンベンショナル)」の略で、従来通り、月並み、伝統的などを意味しており、内燃機関(エンジン)単体で駆動する自動車のことを指す。

最後に、宙船の歌詞の続きはというと『その船は今どこに、ふらふらと浮かんでいるのか、その船は今どこで、ボロボロで進んでいるのか…』

この日本という名の船は、車両電動化に対してHV(ハイブリッド)推しなどで“ふらふら”しているが、世界の流れに乗りそこなってしまい“ボロボロ”にならないことを祈ろう…


 

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