【ヨーロッパ現地レポート】第1回:フランス・パリの急速充電インフラ


本連載では、2017年5月31日~6月2日にドイツ・ミュンヘンで開催された『インターソーラー・ヨーロッパ2017』にて、当社スタッフが現地で見て感じたことをレポート形式でご紹介いたします!

【旅程】
5月27日~5月29日:フランス・パリ 急速充電インフラ&EVカーシェアリング
5月30日~6月2日:ドイツ・ミュンヘン 『インターソーラー・ヨーロッパ2017』&急速充電インフラ
6月3日:ドイツ・デュッセルドルフ 充電インフラ
 
【目的】

・2019年にFIT(固定価格買取制度)が徐々に終わるのにあたり、再生可能エネルギーの先進国の現状を把握し、今後の日本国内において、どのような市場変化が起こるのかの予測を行う。
・EV(電気自動車)用の充電インフラおよびEVカーシェアリングが広く普及しているヨーロッパを見学して、日本国内でよりEVを普及させるために何が必要なのかを探る。

 
現地レポート第1回は、フランス・パリの急速充電インフラの様子をお届けいたします。

まず始めに見学したのは、パリ市内20区の中でも、凱旋門・コンコルド広場・ルーブル美術館など、観光の基本とも言える中心街にある充電インフラの実態です。

パリ市内の充電スタンド
パリ街中で充電中の日産リーフ日産リーフを充電していました。リーフは昨年(2016年)に世界で最も売れたEVです(全世界で約5万2千台)。現在は、環境規制の強い欧米をはじめ、中国やインドなどアジアでEVが積極的に採用されています。また、充電スタンドはBelibというフランスの企業が運営しており、『1』という番号が付いています。
パリ街中の自動車用充電器実は3基が1セットになっています(他の充電スタンドもほぼ同様です)。充電スタンドの色使いも考えられていて、機能美だけでなく意匠性まで追求されています。1番と3番が自動車用充電器(急速:22W/普通:3kW)、2番が小型車・バイク用普通充電器(3kW)です。

ちなみに、当社が取り扱っている急速充電スタンドは30kWが基本です。日本では、急速充電器を単体で設置しているケースが多いです。
エネショップ充電スタンド

充電器の内部

充電器のカバーを開けてもらいました 充電していたリーフのドライバーに、充電器のカバーを開けてもらいました。メルシーボークー!(「Merci beaucoup.」=フランス語で「ありがとうございます」という意味)
パリ街中_充電器内部 カバーを開けてもらうと、日本では見ない形をしており、急速と普通が一緒に入っていました。さらに、急速充電もコンボ2(Combo2)方式とチャデモ(ChaDeMo)方式の2つがあります。これをマルチ充電器と呼びます。中央はコンセントタイプ(3kW)です。

【補足】欧米式ではコンボ方式が広く普及しており、日本ではチャデモ方式がメインとなっていますが、現在のヨーロッパではEUが『代替エネルギーインフラ整備法案』により公共に設置する場合はコンボ式との共存が義務になるため、マルチ充電器が主流のようです。

会員カード

Belib社の会員カードエネショップ会員カード

左側がBelib社の会員カード(登録料:15€ 約1800円)、右側は当社の充電会員サービス(エネショップ)専用カードです。ちなみに、Belib社の充電料金は以下の通りです。※1€(ユーロ):約125円 「TTC」=税込

   会員 非会員
1時間未満 0.25€TTC(約30円/15分) 1€TTC(約125円/15分)
1時間以上 4€TTC(約500円/15分) 4€TTC(約500円/15分)

2番の3kWは8:00~20:00までは同一料金体系ですが、20:00~翌8:00までは会員は無料なんです。会員カードも充電料金も、各段にヨーロッパの方が安いです。

充電スポットの特長

トゥイージーこちらはフランスのルノー社のトゥイージー(実は2人乗り)です。200Vの普通充電のみです。
コンセプトもデザインも面白いですね。200V充電で約4時間でフル充電でき、最高速度は80km/hで航続距離は100km程度です。
パリ中心部の充電スタンドみなさん、お気づきになりましたでしょうか。
そう、パリ中心部は充電スタンドが歩道の一画にあるんです。給油機ももちろん歩道にあります!

まとめ

今回、フランス・パリの充電インフラを見学して、充電スポットが充実している安心感と、道端にあって駐車場に入らなくても良いという充電インフラの利便性が、EVの普及に繋がったのではないかと感じました。また、会員カードと充電料金が日本と比べて各段に安いのも、EV普及の要因の1つだと思います。

日本の都市部は地価が高いので、道路交通法の改正などによる規制緩和によって歩道に充電スタンドを設置できるようになれば、より利便性が高まり、日本でもEVが普及していくのではないかと思います。現在の日本の充電インフラは、公共性が高く、なおかつ一定間隔での設置に手厚いため、身近な所への設置はそれほどありません。今後は、利用者が多い場所へ、より使いやすい形で充電インフラを構築していくことが必要なのではないでしょうか。

それ以外にも、自動車の意匠性やラインナップの少なさや、航続距離という問題もあります。
2017年はEV普及『元年』とも呼ばれています。欧米をはじめ、中国・インドの市場も熱を帯びてきており、日本へ参入してくるEVの種類も各段に増えると予測され、普及率増加も見込まれます。

 

次回:7月10日(月)は、パリ市内では定番のEVカーシェアリングについてお伝えします。



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