【ヨーロッパ現地レポート】第2回:フランス・パリのEVカーシェアリング


本連載では、2017年5月31日~6月2日にドイツ・ミュンヘンで開催された『インターソーラー・ヨーロッパ2017』にて、当社スタッフが現地で見て感じたことをレポート形式でご紹介いたします!
前回(第1回)の現地レポートはこちら

現地レポート第2回は、フランス・パリで定番のEVカーシェアリングの様子をお届けいたします。


今回は、パリっ子の足とも言える、EVカーシェアリング『Autolib(オートリブ)』をご紹介いたします。

オートリブは環境への配慮により、EV(電気自動車)が採用されています。
第1回でもご紹介しましたが、充電インフラはやはり歩道の一画に設置されており、路上駐車場の一部がオートリブ専用駐車場兼充電スタンドとなっています。

オートリブは、日本で国際(国外)免許証を取得すれば利用することが可能です。その他には身分証明書(パスポート等)とクレジットカードが必要になります。

【補足】国際(国外)免許証とは?
日本の道路交通法上『国外運転免許証』と規定されています。日本が加盟しているジュネーブ条約の加盟国で発行された国際免許証を認め合うものです。
有効期限は1年で、有効期限が1年未満の運転免許証では発行されないので注意してください。ただし、この場合の特例措置として、通常の免許更新期間以外でも免許更新が行えます。窓口は各都道府県警察署の運転免許課や運転免許センター、運転免許試験場などです。
※各都道府県警察署では発行に2週間程度かかる場合があります。その他については即日発行が可能です。
※申請には、パスポート等の渡航を証明するものが必要になります。

日本とパリのカーシェアリングの違い


日本においても、ここ数年で急速にカーシェアリングが普及してきました。
(例:タイムズカープラス、オリックスカーシェア、careco、カリテコ、アースカー、ecoloca等)
パリのカーシェアリングは、日本とはどういった違いがあるのでしょうか。

1.ワンウェイ(乗り捨て)で利用することが出来る!

日本のカーシェアリングは原則的に借りた所に最終的に戻さなければならない制限がほとんどですが、パリのカーシェアリングは専用の駐車スポットで空いていればそこに止めて乗り捨てることができて便利です。また、駐車スペースに限りのある都市部での自動車普及にも貢献しています。

2.電気自動車(ピュアEV)で環境に優しい!

日本のカーシェアリングは一部を除き、ガソリン車が採用されています。ガソリン車の場合、乗車または返却時にガソリンスタンドに寄る必要がありますが、電気自動車なら停車して充電コネクタを接続すればガソリンスタンドに寄る必要もなく、前の利用者が給油していないというストレスから解放されます。充電しなければならない手間(デメリット)をガソリンスタンドに寄らなくても良い便利さ(メリット)に変えたのです。

また、充電スポットが空いているかどうか、ランプの色で分かるようになっています。


グリーンランプが点いている所へ駐車して、充電を開始すると、オレンジランプに変わります!

また、シェアリングの先輩でもあるVelib(ヴェリブ)と呼ばれる自転車シェアリングもよく見かけます。こちらも、オートリブ同様にワンウェイ(乗り捨て)が可能です。故障している自転車以外は全て、使用中になっていました。人気が高いんですね!

※ちなみに、サドルが反対側になっているのは、壊れているか調子が悪いというのを合図するものですので、乗らないようにしてください。また、自転車の調子が悪いことに気づいた場合はサドルを反対にしてあげましょう。

ヴェリブはターミナルを操作して利用開始となります。オートリブと同じくクレジットカードが必要です。デポジット(保証金)として150€がかかりますが、返却すれば引き落とされません。また、30分以内に返却をすれば追加料金は発生しません。停めたいスタンドがいっぱいだった場合はターミナルで操作すれば15分延長できます。

バイクを戻した際はランプが緑になっているか確認してから、その場を離れてください。

まとめ

今回はパリのEVカーシェアリングを中心に、交通系のシェアリング事情をお届けしました。

欧米では自転車シェアリングは当たり前で、カーシェアリングも利便性が高く、環境に配慮されたEVを採用している点も考慮すると、日本は相当遅れをとっています。
数年前から利便性の高いサービスが世界各国で展開されているのにも関わらず、日本国内ではなかなか実現できていないように感じます。
特に、ソフトの導入は早いですがハード面が遅く感じます。これは、各産業における設備導入および更新にも同様のことが言えます。

日本の主力産業でもある自動車産業において、国内需要がなかなか伸びないのはなぜでしょうか。
確かにコストパフォーマンスの高い自動車を各国のエンドユーザーへ提供してはいるものの、国内で最も人口の多い都市部では、自動車の保有率を上げることは維持費の観点からも難しいと思われます。
かといって、パリ式のEVカーシェアリングが普及すると、タクシー業界が大打撃を受けてしまう恐れがあり、抵抗が想定されます。
しかし、依然として各電車の満席率は異常なままであり、トラブルとストレスを生んでいます。

一見、都市部の交通インフラは整っているようですが、人口増加には耐えられていません。これでは、整っていないのと同じことのように感じます。
国や省庁および自治体と民間事業者が連携し、岩盤規制を突破して市民が納得するサービスを提供し、国内の製造業およびサービス業が活気に満ち溢れる政策の実現に期待したいです。

次回:7月18日(火)は、インターソーラー・ヨーロッパ2017についてお伝えします。

 



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