【次世代エネルギーインフラ講座】ESG投資の波及により変わる民間企業と地方自治体の『お金のはなし』


前頁で『投資家の判断基準はというと、決算書から導かれる様々な数値・指標』と述べたことについて、基本的な部分を簡単にご紹介します。

決算書について

決算書とは通常1年に1回(期末・決算日に)、1年間(1期)分の収支や財産の状態を計算する際に作成される書類のことで『財務諸表(Financial Statements)』とも呼ばれます。※上場企業の場合は四半期(3ヶ月)に一度行うことが義務付けられています。

決算書(財務諸表・決算報告書)の構成
  1. 損益計算書(PL:Profit and Loss Statement)
  2. 貸借対照表(BS:Balance Sheet)
  3. キャッシュ・フロー計算書(CS:Cash Flow Statement)
  4. 株主資本等変動計算書(SS:Statements of Shareholders’ Equity)

損益計算書(PL)は『一定期間』の儲け、貸借対照表(BS)は『その時点』の経営資源(資産・負債)がどれだけか。キャッシュ・フロー計算書(CS)は『一定期間』にキャッシュ(現金)がどれだけ出入りしたかを表したもの。株主資本等変動計算書(SS)については複雑なので、またの機会にご紹介します。

今回は基本部分に的を絞って、最小限の内容とします。

1.損益計算書(PL)『一定期間』の儲けを表したもの

構造はいたってシンプルで、一番上の『売上高』からさまざまな費用を差し引きして『利益』が算出されます。
見るポイントは次の通り。※事業内容によって、それぞれが何に計上(該当)するかは異なるので注意

2.貸借対照表(BS)『その時点』の経営資源(資産・負債)がどれだけあるのかを表したもの

右側が『負債の部』と『純資産の部』で構成されていて、どのように『お金を調達したのか』を表しており、左側が『資産の部』で調達したお金を『どのように使ったのか』を表しています。左右それぞれの合計は一致するのでバランスシートと呼ばれています。

資産とは企業を経営するのに必要なもので、工場や機械から在庫商品やパソコンに文房具などがあり、これら資産を有効活用し、売上と利益を得るのです。(残念ながら、会計上人材は資産・財産には入りません)

3.キャッシュ・フロー計算書(CS)『一定期間』のキャッシュ(現金)の出入りを表したもの

キャッシュ・フロー計算書には以下の3つに大きく分かれます。
自社及び他社からの支払い状況などによって、本来手元に残るはずの現金と現実が異なる場合があるので、キャッシュ・フロー計算書によって、回収及び支払い状況が安定しているのかを判断します。

時々、耳にする『黒字倒産』というフレーズも、キャッシュ・フロー計算書からその危険性を判断します。表面上は利益が出ていても、回収ができずに『流動負債』を返すための現金がなければそうなってしまうので、お金の出入りの仕方(キャッシュ・フロー)が安定しているかが重要となってきます。

決算書(財務諸表・決済報告書)は、『一定期間』と『その時点』の状態を表すもので成り立っているため、その企業の実力を判断するには、最低でも3年分を見る方が良いとされています。※期間中に経営者などの人事異動があった場合は、それも考慮した評価をしないと正しい判断はできない

決算書(財務諸表・決算報告書)の基本的な構成をご紹介したところで、次に、投資家やビジネスマンが相手を知るために見る指標の代表例をいくつかご紹介します。

これらに代表される様々な指標に基づいて、投資家は投資効果の高い企業へ投資を行います。安定性という面では、流動負債に関連する指標と手元流動性に自己資本比率などを見て判断し、稼ぐ力という面では自己資本利益率(ROE)や総資産利益率(ROA)などを見て判断することが基本となります。

事業形態によって、キャッシュ・フローがまちまちなので、指標の適正値も変わってくるので見極めが重要です。

最後に

今回は、ESG投資にまつわるお金のはなしをご紹介しました。企業と自治体は運命共同体とも言え、互いの不足を補完しながら、地域と住民、そして企業が円満に活動できる社会を形成できるかが、地域の持続性につながるのだと思います。


 


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